最終更新日:2010/09/03

モデルリリースと写真の使い方

写真素材として、ある人をモデルにしたいと思いました。
肖像権の尊重から、その人を被写体とする許可を得て、なおかつ、公表してもいいとの同意も得ました。
何枚か撮影し、帰宅後、ホームページにその写真素材を載せましたが、少しいたずら心が起こり、面白おかしく加工したとします。
しかし、これは、モデルリリースを取得したとしても、許されない行為の一つです。

まず、加工することの許可を得ていないことが理由になります。
人物被写体の本人が、いたずら書きに納得し、それを公表することを許可していれば、問題ないとも言えます。
けれども、ただの公表の許可であれば、それは、撮ったそのままの写真素材を掲載することと認識し、被写体としては、加工を念頭にしていません。
したがって、被写体の権利侵害となります。
写真素材をパソコンでつくる女性社員
また、私的ホームページへのモデルリリースを取得したからといって、その私的ホームページが、被写体の思いもかけないホームページであるなら、使用が許されるものではありません。

たとえば、女性モデルを写真素材にしたいと思い、彼女から許可を得て、写真撮影も済ませ、なおかつ、モデルリリースも取得しました。
彼女に内緒で、アダルトサイト等に利用すれば、それもまた権利侵害となります。
このように、モデルリリースを取得したとしても、どのような条件下においても、写真素材が利用可能とは言えません。

民法上において、公序良俗に反する行為は、禁止されています。
また、被写体の個人として権利から見れば、被写体の予期せぬ場所での利用は、名誉棄損にも値します。
モデルリリースを取得する場合、まずは、どのようなところで利用するのか、さらには、約束したことをきちんと守るという常識が大切になります。

肖像権とモデルリリース

写真素材を使用する前に、十分注意すべきことは、肖像権とモデルリリースになります。
では、肖像権とモデルリリースとは、どういうものでしょうか?
クライアントと相談する写真素材会社の女性
まず、肖像権は、写真素材の人物被写体が、写真に撮られても問題ないのかどうかを個人で決定する権利になります。
日本国憲法の基本的人権には、明確に規定されてはいませんが、現実社会の進展から、基本的人権と見なされ、自由権の一つとなっています。

自然物の被写体は別ですが、写真素材に、人物を使用したい場合は、第一の前提として、肖像権を尊重することが必要です。
仮に、夫婦や親子のような血縁関係にある人物であったとしても、他人と同様、等しく肖像権が認められています。

次に、モデルリリースになりますが、これは、肖像権と密接に関わっています。
写真に取られることを被写体の人が許可をしたとしても、それを無断で公表することはできません。公表の前に、公表してもいいのかどうかを、被写体の人物に許可してもらう必要があります。
モデルリリースとは、このことになります。

一般的には、書類などを用意し、被写体の人に署名などをしてもらうことになります。たとえ私的なホームページへの写真素材の利用だとしても、必ず被写体の許可を取る必要があります。
もちろん、肖像権と同様、夫婦や親子などの血縁関係にも必要なことであり、仮に無断で利用し、血縁者が裁判所に訴えを起こせば、権利侵害として認められます。

人物被写体の写真素材を使用し、ホームページなどのコンテンツを充実させようと思えば、まずは、肖像権とモデルリリースをきちんと理解しておくことが、大切になります。
なお、肖像権が発生しない写真素材は、個人が特定できないものとされています。
例えば、顔が映っていない、あるいは、後ろ姿や手足のみの写真などになります。